「醜聞頼み」の野党に春は来るのか

/ばか野党
/しゅうぶんばかり
/追いカケれど
/アキの先には
/春は無からむ
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野党、「加計学園」も追及 戦略特区で獣医学部新設

日経新聞 2017/3/27 19:27

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H6D_X20C17A3PP8000/


森友問題についてはもう書かないつもりだったが、最後に1つ。

籠池氏の証人喚問が何一つ具体的に立証できずに終わったばかりか、むしろ逆に辻元清美議員の各種疑惑が出てきてしまった際、私は「森友学園の問題はもう終わりに向かうだろう」と予測していた。しかし野党はその後も昭恵夫人を証人喚問しろだ何だと大騒ぎし続けているし、さらに上述の日経記事にもある通り、「第2の森友」と位置付けていた加計学園の件についても追及、追求と息巻いている。私の予想は完全に外れた事になる。これは間違いを認めざるを得ない。

では何が間違っていたのかといえば、「野党のバカさ加減」に関する、私の見立てが間違っていたのである。彼らは、私がバカにしていたよりも、さらにバカであった。

何がバカかといえば、まずは「第2の森友学園」という標語そのものである。この言葉を籠池氏の証人喚問後も使う事は実質、森友学園問題における野党の敗北を意味している。

サヨナラホームランを1試合に2本打つことはできないように、「決勝打」「必殺の一撃」というものに「第2」は無いし、いらないのだ。2つめが必要という事は、それは決勝打ではなかった、という事である。

森友学園については、野党は「これぞロッキード並みの大疑獄!」とばかりに大騒ぎしたし、安部首相自らも「政治的関与があったとなれば辞職してやる」とまで大見得を切ってしまっている。お膳立ては完全に整っていたのだ。野球で言えば、「1打出ればサヨナラの状態」である。

それにも関わらず、野党は「第2の森友」を出してきて「更なる追求!」と騒ぎ立てている。しかし次の打者(加計)を引っ張り出してこなければならないという事は、最初の打者(森友)は凡退した(すなわち野党は森友の件で敗北した)という事なのである。

野党がそういう矛盾にすら気づかず、「実質的に負けた事を自ら大声で主張しながら騒ぎ続ける」事は、ちょっと予見できなかった。そんな野党陣営の様子は、私から見るとまことに愚かで滑稽、そして哀れである。

もう1点、「野党が予想以上にバカだった」点がある。それは、直近の支持率調査を見ても「醜聞を追い求めるというやり方」を改めなかった事である。 

直近の政党別支持率調査では、安倍政権の支持率が大して落ちないばかりか、むしろ野党の支持率が落ちていたという。これは、どれだけ野党とメディアが騒ごうと、人々は既に飽き飽きしているし、また野党に呆れている、という事を示していると思う。しかし野党は、自らの支持率低下を見てもなお、同じ戦法に固執した。

本来、あのような真偽不明の怪しいネタでワンワン騒ぐのは、ゴシップ誌の役目である。そしてそのゴシップ誌すら、森友の件については今までほとんど記事にしてこなかったし、騒動になってからも特に新しいネタが出て来ず、籠池夫妻や、怪しい「自称代理人」がメディアに語った事をダラダラと記事にするのが精一杯という状況である。 そういった状況を考えると、野党がいくら「アッキード」とか「第2の森友」などと騒いでみても、多分、この件については、いわゆる「文春砲」みたいな大スクープを得られる見込みは低いのではないだろうか。

その点から言っても、野党は時間(=税金)を別の所、すなわち立法府における法案の審議に使って徹底的に与党の不備を叩く戦法に切り替えるべきだと私は思う。

とにかく、「ゴシップを追い求める道」は、決して野党にとって「春への道のり」ではなく、むしろ「秋分の日」のごとく、「どんどん冬へと向かっていくための道」と考えるべきではないだろうか。


何でも評論家・永田清一

世の中の様々な物事に、狂歌をまじえつつヒトコト申し上げる。